2007年新年号特別企画
委員長インタビュー拡大版
〔2007年1月1日〕
 2007年機関紙「ぶんきょう」新年号に掲載した高田支部執行委員長のインタビュー。インタビューは2006年の12月7日に行なわれましたが、時間にして1時間半(!)という長さでしたので、そのすべてを新聞に載せることはとてもできませんでした。ただ、企画した教宣部員自身も自画自賛するほど内容の濃いものでしたので、そのすべてを、この場で、「委員長インタビュー拡大版」としてみなさまにお届けします。
 「打てば響く」高田委員長の言葉。支部のトップがどんなことを考えながら運動をすすめているのか。教宣部とのやり取りの中から見える委員長の哲学に、ぜひ触れてみてください。

委員長インタビュー・参加者
執行委員長 高田 悦男(ゲスト)
教育宣伝部長 笹谷  薫(インタビュアー)
教育宣伝部員 梶谷 善彦
武田 耐三
岩谷  実
中田  実
岡田三郎助
担当書記 吉川  豊
1.拡大運動について
2.共済制度の推進について
3.後継者対策について
4.住宅デーについて
5.事業所対策について
6.土建国保ハガキ要請について
7.公契約条例について
8.憲法・教育基本法について

12月7日の教宣部会でのインタビュー

1.拡大運動について

──あけましておめでとうございます。今年は支部結成55周年を迎える年となりますが、昨年を振り返って一番印象に残ることといえば、やはり仲間を増やす取組み、拡大運動ということになると思います。春、秋に設けられた拡大月間で、苦労の末に支部最高現勢を樹立しました。役員の中には拡大になると頭を悩ませ、非常に苦労している方もいるようですが。

 組合員の皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。昨年は多岐に渡る運動に協力いただきありがとうございました。秋の拡大では、支部始まって以来の84名という多くの方のご加入をいただきました。ありがとうございました。2年前の大会で、3年計画で1200名の支部にしようと取り組んできたわけですけど、昨年の拡大で最高現勢1160名という結果になっております。ぜひ今年、なるべく早い時期に1200名にできるようにして、財政的にも本部からの援助を受けない形で、運営できるようにしたいと思っております。
 数というのは要求を実現、勝取る為に絶対必要だろうと思っております。東京土建全体としては13万を目指してますけど、現在12万9千まで行きました。この力でもって私たちの命の綱である建設国保の育成強化という国会請願も通りました。そういう意味では、数と運動の関係というのは、大変重要なことだろうと思っております。

──1200人にするというが、各分会はもう拡大対象者なんていないと騒いでいますが(笑)

 (笑)そーね。拡大というのは、確かに始まる前は毎年毎年、対象者がいないと大変みなさん苦労しておりますけど、始まると、どういう訳か出てくるんですね。本部全体でも事業所拡大に力を置いているということもあります。おそらく後で質問が出てくると思いますが、事業所分会をどうしていくかということも大きな課題ではないかと思っております。ですから、歩いて、(笑)まあ、歩くのも大変ですけど、ここの所、いないいないといいながらも五年連続で本部拡大目標をやりきってますので、ぜひ力を合わせて頑張っていきたいと思っております。

──今年は55周年ですけど、記念行事をいつ頃開催しますか? それまでに1200人支部を実現していくということだと思うんですけど。

 うーん、恐らく、支部大会、春の拡大、秋の拡大とありますので、秋の拡大の終わった後に、55周年の記念行事を行なっていきたいと考えています。それまでに、1200人という数にして行きたいと思っています。

──拡大には苦労がつきものですが、新しい顔が出てくると、そこから新しい枝が出てくると思うのですが。

 まさにその通りだと思うんですね。今、38支部中、一番年齢層が高いのが文京支部なんですね。その意味では、やっぱり新しい若い人を拡大していくと。ところが今、大工さん、左官屋さんでも、多少、技術面で年季を経ないと一人前になれないということがありまして、なり手がいないというのが今の現状なんですね。その意味では、建築職人もこのまま行くと、大手に取り込まれて、全部プレハブ方式のものになってしまうのかなとも思っています。ぜひ在来工法の素晴らしさを若い人に伝えていきたいと思っています。ぜひ、若い人の紹介をよろしくお願いしたいと思っています。

──しかし何故、これほどまで苦労して組織を増やさなければならないのでしょうか?

 組織は、どうしても、ほおっておくと減るんですね。文京支部も昨年は200人くらい拡大してると思うんですが、そのうち130人ぐらいは減ってるんですね。その意味では拡大をしなかったらどんどん組織は減ってしまう。労働組合というのは要求運動ですからね。そのために皆さんと頑張っているわけですから、自分達の要求を勝取る為にはどうしても数というのは一つの大きな力になるのだろう、と思っています。ぜひ、大変ですけど、みなさんと共にやっていきたいと思っています。

──東京土建もずいぶん名前が知られてきた。今回もチラシを見て事務所にきたのも2、3あったのではないでしょうか。12〜3万になってずいぶん知られてきた。今後とも、本部に働きかけて、土建の良い点をどんどん宣伝してもらいたいのですが。

 本部でもラジオでの宣伝はやっているが、テレビでやったらどうかという話もあった。テレビでやると一人頭1000円くらい掛かる。いずれ、テレビで宣伝をしてくという方向になると思うが、その為にも数を増やさないとできないんですね。

(梶谷)今群長をやっているが、ほとんどが他地区の人で、よって話を聞いていくといった雰囲気ではない。おカネをもってきてさっと帰っちゃうとか振込とかいろいろ問題がある。それは何とか打開しないといけないと思ってる。ちょっとしか話をできない。ただ、他地区の人も、組合にいるというだけでそれは力。他へ行ってくれともいえない。色々と気を使って細かく対応して(こっちからチラシをもっていったり)、今の13人というのを維持できてると思う。それは人から言わせると、そこまでやると今の群長が辞めたときに群長のなり手がいなくなる、という人もいる。ただ、今まで培ったこのやり方じゃないと、(この仲間たち)は維持できない。他の人じゃできない。だから、俺は死ぬまで群長をやるんだ。今までの通り。「お前だけじゃない」って言われりゃそれで終わりなんだけど、泣き言は言いたくない。それは後退だと思うから。自分はやるだけやるが、その評価はわからないが、組織にある以上は前向きに考えてやっていかなきゃならないよな。

梶谷部員

 これは文京支部の組織的な欠点でもあるのですけど、区内在住者が40%を欠ける位の現状では、地域内で運動をやるのでも参加しにくいという問題だろうと思います。文京支部に居るからには、それなりに協力してもらいたいと思います。群長の問題は、うちの群も他の区が多いんだけど、本来は組合費を持ってきてもらうのが基本ですから、集めたりするのは止めて欲しいんだよね。みんなボランティアでやってるのだから、もって来て下さいと。持ってきた時に色んな資料、内容などを説明する。これさえやってれば群会議を開いているのと同じです。他の区の方は大変だと思うが、来た人には必ず組合での決め事や業務の説明などを含めて知らせていくと。それがわかってもらえるようになると、代わりになって、やってくれる人も出てくると思いますよ。みんな大変だなと思ってくれれば代わりも出てもらえるんじゃなかろうかと、思っております。

2.共済制度の推進について

──次に東京土建の行なう共済制度の推進についてお尋ねします。拡大月間同様、推進月間を設けて、共済推進委員を中心に、火災、自動車共済の加入を呼びかけています。「なんで、組合が保険会社の勧誘のようなことまでするのか」といった声もあるようですが。

 (笑)そうですね。俺たちは保険屋じゃないというご意見も多々あります。何でそんな事までするのかと。ただ、土建のは共済なんで保険とは違うと思うんですね。今、共済制度を良くして欲しいという要望がありますが、一人一人が払っている月855円の共済金が、今の時点でそのほとんどと言っていいくらい、(給付として)組合員さんに返しているという状況なので、新しい制度ができないんですね。同じ、休業していても病気とケガで差がある。そういう制度を、同じ休業だから病気とケガの給付を一緒にしてほしいという声に、それに共済費を上げずに、少しでも近づくにはどうしたらいいのかという中での財源確保という形で、共済制度の推進が始まっているんです。保険屋じゃないんだと、皆さんで困った時には助け合うんだとこの気持になって、火災共済、自動車共済もね、自分達も病気なりケガをした時にはその分共済金をいただけるんだと思っていただければ、分かっていただけるんではなかろうかと思っています。
 ただ、最初に保険という風になってしまうと、俺は保険屋じゃないんだ、となりますので、みんなの助け合いなんだと。共済費を値上げせずに内容をよくすると、そのためにはこのような火災、自動車共済の推進で持って利益を上げていく、「利益」という言葉が妥当かどうかはわからないけど、そういった形でぜひ協力をしていただきたいと思います。

──火災共済の拡大月間について、まだあまり伸びてないようだが。(インタビューは2006年12月7日)

 うーん。よく話してもらえれば分かると思うんだけど、ただ、分会・群でそれが話されているかというのが大きな問題だと思うんですね。今、火災共済は鉄筋の場合なら1500円で50口、要するに500万円の保障する。木造の場合は3000円で50口で500万、大変いい制度なので話していただければみなさん入ってくれるんですね。その意味では中々皆さんが内容をはっきり伝えてくれないところに何か問題があるのではなかろうかと思っています。ただ、文京支部の場合は加入率が悪いわけではなくて、2番目ぐらいに良い。全体で今20%行くか行かないか位です。20%というのは発足した時の数字なので、少しも進んでないということ。だから新しい制度もなかなかできない。文京支部では組織人員の30%をやろうと共済推進委員会の中で意思統一をした。そのために各分会10件ずつやろうと皆さんで決めた。全体では共済制度で、文京支部は小支部なので、そういう意味ではお世話になっているので、共済制度ぐらいは全体を引っ張っていきたいと思うので協力の程、よろしくお願い致します。

──土建全体の火災共済の加入率が何%になったら、今までもらえなかった傷病見舞い金の4日待機分がもらえるようになるのですか。

 それは計算してみないとわからない。なんせ13万人の組合員が居るわけですから、ゴホンとちょっと風邪をひいただけで国保も値上げしなければならないような状況もある。今の待機期間が最低一日くらいになれば大分助かるようになる。だいたい今、入院は1週間ぐらいで退院できちゃうでしょ? それと診断書も書いてもらうだけで4〜5000円かかってしまう。そうすると1日ぶんぐらいは出てしまうので、4日待機といっても5日待機みたいなもんです。ですから、その辺を少しでも減らすようにしていきたい。全体で30〜40%いけばその辺は減らせるんではなかろうかと思いますよ。

(梶谷)最近は共済金をもらって助かったという記事が新聞にもあまり載らない。その辺もきちんと載せていくともっと有難味も分かって、理解が深まるのかな。

──具体的に金額が、(余剰金)がどのくらい傷病見舞金の方に回っているかというのが、出てこない。それがいくらなんだというのを具体的に出してもらいたいのですが。

 本部の総会では全部出しています。何年かは積み立ての関係などで回っていかないが、最近は恐らく回っているはずです。はっきりとした金額はわからないが。ただ、855円の金額についてはほとんどみなさん方に返しているんだと、それだけ病気をしている人が多いんだと。98%ぐらいは返しています。10億ぐらいは返している。よって、新しい制度がなかなか出来ないんです。年間、確か7〜8千万を共済の方に繰り入れたと聞いたような気がするが・・・。

──一般の保険会社はお客さんに戻しているのが、30〜40%だったような。

 そう。だから一般の損保は70%くらいは利益になるんです。この間、マスコミなどで火災保険の件で話題になったが、土建の場合は十年経っても同じ価格で出すと。一般損保は10年経つと100万円のものが50万になってしまうとか。その意味では土建の場合は雷がおっこっても出すとか、みなさんにとってはうんとよくできているんですね。内容はね。

3.後継者対策について
──次は、役員の高齢化、・後継者対策についてです。組合の運営は、委員長をはじめとした組合員から選出される組合役員とそれを専門で行なう事務局(専従者)が車の両輪となって行なっています。近年、その組合役員達の高齢化が目立ちますが、若者の組合離れや後継者がなかなか出てこない状況について、委員長はどうお考えですか。役員70才定年となっていますが。

 非常に頭の痛い問題です。四役でも常任でも論議をしているが、新しい人をぜひ出してもらいたい。いないわけじゃないんだが、なかなか出てきてもらえないということがあるので、後継者対策の中で、来年は青年部を立ち上げようとがんばっています。ぜひ、新聞を読んだ皆さんが若い人を出して頂いて、文京支部を支える意味で協力してもらいたい。大変なことは大変ですが。私たちの若いときはというか、私達は若い時からやっていたが。(笑)30代からずっと子供を育てながらやってきたんだけどね(笑) 若い人が出てきてくれないというのは頭の痛いところです。

──青年部はあれやれこれやれとか言われて、期待が大きいから出てこないのでは。

 そんなに青年部に仕事を押し付けたかな。せいぜい、ビアパーティーとメーデー位なもんじゃない?ここの所はそんなに仕事を押し付けてるということはないと思うんですけどね。

──前にも1回、青年部が休部になったことがあったでしょ? それでまた復活した時には、金は出すけど口は出さないと、こういう約束だったんだけど結局集まりだすと、なんだかんだ青年部となるのでは。やはり期待が大きすぎるのではないでしょうか?
インタビュアーの笹谷教宣部長

 今言うように、青年部というのは、昔と今と違うんだよね。要求もなかなかわからない(笑)。昔はバスハイクだ、ドライブだというと喜んでいったけどね。今は、仲間でなんか楽しくやっていこうというのがなくなったんだよね。それが一番大きい。昔は骨折ってみんな集めてバスハイクやったり海水浴に行ったりなんかしたが、個々でみんな行っちゃうでしょ?車、みんな持ってるし。だから何かやりましょうといっても、そんなの自分で出来るっなんていっちゃってさ。そこら辺、大変やりにくくなってきてるとは思いますよ。どうするかは、私なんかも青年の気持があまりわからないので、申し訳ないんだけどね(笑)。もう少し年の下の人(役員)にまたがんばってもらわないと(笑)。

──この前後継者のボーリング大会で若い人がたくさん集まっていたが、そういう機会がもっとあると集まってくるのかもしれませんね。それには予算がいるが、簡単な話しお金をバーと出すのか出さないのか(笑)

 (笑)これは皆さん方の組合費なんでね。全体が必要とするものについては予算はケチらないですよ。私は。その意味ではどんどんやっていただいて。でも、ただ飲み食いするだけだというのだと大変なことになってしまうので、組合費ですから。そういうことじゃなくて、みんなで色々なことをやっていこうと、それにかかる費用であれば、それは出していくべきだし、そのことについてケチりはしませんよ。大いにやってください。

(梶谷)今の青年は年寄りと違って病気しないでしょ。組合費とともに保険を払うと負担が重いと思ってる若者もいる。風引いたって、その辺の薬屋で買えばなおっちゃうんだから、その辺のことを考えて、安くできないかなって。青年に対して。

 言わんとしてることは良くわかるんだよね。私も若いころはそう思った。かといって自分が年取ったときのことを考えると同じなんですよね。確かに若いときは病気をしないが、いつまでも若いわけではないですよね。そうすると今度は逆に若い人の世話になるわけですから。だから若いから病気しないどうのこうのじゃなくて、やっぱり自分たちも年をとる、年を取るから今納めているんだと。こう考えてもらうと、その問題は解決するんじゃなかろうかと思っています。

──昔の親方は組合に出るといえば多少早く帰っても文句をいわなかった。今の親方はなかなか若い人を組合に出したがらない。

 それは運動との関係なんだよね。昔は親方たちが日雇い健保などの自分たちのくらしと命を守る運動を手弁当で活動していた。それが現在の健康保険制度を作り上げた。今と違って一日出ればいくらという時代じゃなかったから。それで、ほんとの自分たちの要求運動っていう形で、こんなこと言うと怒られるかもしれないけど、今はじゃあ違うのかといわれると困るけど、運動を自分のものとして捉えていたのね。ですから、自分のところの若い衆が行ってくれればありがたいって形で、おい、行ってこいと早くも帰す。ですから、昔の親方たちは旗持ちでも何でも若い衆を出したんですよ。運動そのものが本当の意味での運動だったんだよね。今はちょっと違うのかななんて思うこともあるんだけど。ですから自分たちの要求の形に合った運動をしてれば、そういう形になってくるんですよ。今は何でもお金で出しちゃってるから、逆に運動の中身が弱まってるんだろうと思います。

──昔の賃金は安かったからね。

 日曜日も休みになったでしょ?これ、みんな運動だからね。手間だってグーんと上がったじゃないか。

──昔は俺34から35年前で6000円だったもんな。

 ……6000円じゃいいほうだよ。俺が来たときは500〜800円だったと思うよ。俺は最初月500円だからね。月500円で3年いたんだ。

(梶谷)この間、NHKで見たんだけど、人材派遣会社などが、ニートとか30代の学生上がりなんか、彼らのために寄宿舎を作ってそこで更正させてだな、仕事を教えながら、安い賃金で使ってて、それが結構若い者にとって自分の力で稼いで、それが800円でも1000円でもそこでしっかり仕事を覚えたりして一生懸命やって、気力も出て、それもひとつのアイディアじゃないかなんてやってたけど。
 だから東京土建も若い人を呼ぶんなら大きいことを考えて、大きなビルを建てて、そこに若いもんを住まわせて東京土建が育て上げると。カレッジでやってるけど、それだけじゃなくて、在来工法を大々的に教え込んだり。本部も大変だろうけどさ、なかなかこれからそういうことしないと、後継者、後継者というけれど、口だけじゃなくて若い者に投資しなくちゃ、これからは。東京土建がこれからのびるのなら、新社屋を建てるお金があるのならば、そういうことをやったらどうかな。俺一人のくだらない考えだけど。


──じゃ、次いきます。

4.住宅デーについて

──仕事確保と地域住民へのサービスの二つの目的で、住宅デーを行なっていますが、仕事確保の面ではなかなか結果につながらないようです。文京支部では土地柄、他支部のように各分会が大々的なお祭りで集客を見込むことも難しい面もありますが、住宅デーの今後の展望についてお聞かせください。
昨年の住宅デーの様子

 住宅デーって言うのは、本来は自分たちの地域に建築関連の職人さんが居るんだよと、だからぜひ地元の職人さんを使ってほしいと。こういう意味で住宅デーは最初取組まれたんです。それが仕事確保に結びつくんだけど。ただ確かに、各地域でイベント型の住宅デーを開いて集客を見込むのは、場所確保の面で難しさはある。だけども、この間第五分会でやったように地域の商店街のみなさんと協力して、木工教室やらで子供たちを集めて、自分たちをPR、宣伝していくっていうのは大事なことだと思うんですよね。今、プレハブメーカーが忙しいって言うのは、地元の大工さんなんか知らない、そういう人が多いって事なんですよ。だからメーカーが流行るんであってね。ですからそういう意味ではまだまだ自分たちの宣伝が足らない。それと信頼をどう受けるかってことが大事だと思うんですね。家一軒作るのには何百・何千万ってかかるわけですから、そのお金を渡すわけですから、これは信頼がなかったらこないんですよ仕事は。
 組合ですから仕事を取る運動というのは大いにやるべきだと思いますので、住宅デーも続けてやっていくべきだと思います。それなりに少しずつは仕事は来てると思うんですよ。無駄じゃないと思っています。

──包丁研ぎやまな板削りばっかりやって、仕事はほかにいっちゃう確率が多いんじゃないかと……(笑)

 ということは自分たちがまだ信頼されてないということなんですよ。どうすれば信頼されるのかという問題なんですよね。これは正直いって自分の問題であって組合がどうしてくれっていう問題じゃないんだよ(笑)

(岩谷)そういう面もあるってことですよね。来たお客さんにたいして努力して、いろいろ渡したりしないといけないっていうことですね。ただ、包丁研ぎだけじゃなくて、来たお客さんに「どうですか?」って声かけるとかしなくちゃいけないということですね。

──じゃあ、包丁研ぎやまな板削りをやめて住宅相談一本でやるというのは。

 それはだから、今言ったように自分達がどれだけ地域に根ざしているのかっていう問題なんだよね、日頃から。だから包丁研ぎ屋さんになってはいけないんですよ。自分たちがこの地域にいるんだよと知らせて行くことが大事だし、包丁研ぎなんかやりながら信頼を得ることだよね。信頼を得なかったら仕事は来ません。粘り強い運動が大事なんだよね、自分たちの生活を守るとかさ。包丁研ぎは余力でございますから(笑)

(梶谷)でもこれだけ長くなると期待している人もいるんだよな

 包丁研ぎな(笑)

(梶谷)おばあちゃんなんか2時間ぐらい前からまってるもんな(笑)

 だからそれは包丁研ぎ屋さんになってしまったんだよね。それじゃまずいんだよな(笑)。

5.事業所対策について

──今、東京土建は事業所単位での加入が増え、昔の町場の職人組合から雰囲気が変わりつつあります。労働組合としての運動面と運営面での事業所のあり方について、どうお考えですか。

 昔、組合は在来工法を守ろうというのが主だった。今は全体として拡大そのものも事業所が加入してくれないとなかなか進まないっていう側面もあります。これはやっぱり要求運動だから、逆に俺は本部に聞きたいね、要するに事業所の要求をどうくみ上げるのかって言うことを。おのずと町場の要求とは違ってくるんですね。保険、共済なんかは一緒ですけど、仕事を取るところから違ってくるんでね。
 あの、私も一番頭が痛いのは、今の町場の職人をどうしていくのかと。ひとつはわれわれの運動が弱かったせいか、プレハブメーカーに押されてしまった。町場の仕事が減っちゃった。町場の営業力がなかったというのが大きな欠点なんですよ。来た仕事だけをやってればいいという親方大工だったから。今までね。自分で営業しないという。ここが一番の欠点だった。だからプレハブメーカーに押されて、町場の職人も減っちゃったというのが正直な所なんですね。ですから、今、墨付けして刻んで、家を建てられるというと、これからの若い人には難しくなると思うよ。その意味では私たち自身がそのような状況に飲まれてしまってきてるということもあるんですよ。
 だから大きな運動するために、町場の仕事を増やさなかったら若い人はこれ、増えないですよ。町場の仕事を増やしていくためにどうするかといえば宣伝していかなくてはならない。そのために住宅デーもそういう意味で取り組んでいる訳ですから。町場の昔からの在来工法というのは素晴らしいものですからこれを守っていくというのも大事だなと思うんですよ。
 その意味では東京建築カレッジがあるわけですが、生徒が少ないようですね。大工になろうという人が少ないのかなと思います。町場の職人の問題、事業所の問題、これは本部全体で考えていくべき問題だと思いますので、本部の中央執行委員会で、よく議論していただきたいと思います

2006春の拡大決起集会

6.土建国保ハガキ要請について

──命と健康をまもる取組みについて、お尋ねします。我々の健康はアスベスト問題など、先行き不安な状況です。土建国保は実質十割給付で、大変助かりますが、ハガキ要請はやっぱり必要なんでしょうか。

 ハガキ要請というのは自分たちの意思をそこに伝えるという大きな意味を持っている。直接中々いえないことをハガキの中で現状はこうだと知らせていくというのは大事なことだと思うんですよね。今は例文が書いてありますが(笑)。受け取る側もそのハガキで判断するんですね、ある程度は(笑)。だから枚数が少なくなるともういいのかというふうになるんです。最初に数は力といいましたが(笑)。それと自分たちの要求なんだから自分たちで何かをしなくてはならないということですよね。その意味でも「書く」ということは、やっぱり重要だろうと思います。
 ついでに報告しておきますけど、今年度の予算については、みなさんに書いていただいたハガキや都議会議員の賛同署名などのおかげで予算については満額確保できるだろうと思います。ただ、医療制度の問題や老人健康保険への拠出金なんかも含めて、総合的にいうと値上げをせざるを得ないだろうという状況にあるということについては報告をしておきます。ただ単に値上げというのではなくて、成果は成果として考えていただきたい。

──ハガキ要請はわかるんですけど、あまりにもハガキ、ハガキと多すぎるんじゃないんですか(笑)

(笑)運動で要求する場合、多すぎるということはないんですね。書くほうは大変ですけど。これは東京土建だけじゃなくて全建総連全部でやってますからね。数年前に全国の400万人の署名で、国会で建設国保育成強化の請願が通りましたけど、まさにあれは数の力なんですね。針の穴に象を通すよりも難しいといわれた請願を473万という多くの署名を集めて通したのは数の力、数の成果だったということは言っておきたいと思います。

(武田)うちなんかは他地区の人たちが多いのでたいへんなんですよ。こういうのがあるからっていったって、そんなの知らないよってなもんですよ。

武田部員(左)、岩谷部員(中)、岡田部員(右)
(笑)大変ですよね。ただ、話だけはしてもらわないと。いつまで経ってもわからないですから。何故これだけ国保料金がこれだけで収まっているのかが。本当は収まってないんですよね。収まっているのは、そういった大きな運動の成果としてあるんですよってことですよね。

7.公契約条例について

──公契約条例制定を目指す取組みについて、「公契約」と聞いて今ひとつピンと来ない組合員もいることと思います。そこで、公契約とは何か、それが制定されるとどうなるか、またそれをめぐる運動の経過と今後について、教えてください。

 我々は公共工事における最低賃金を法的に定めてほしいという意見書を国に上げてもらえないかという請願を区に出したわけですが、昨年秋の総務区民委員会では、残念ながら五つの会派のうち三つは賛成、二つが保留ということで、意見書というのは全会一致じゃないと通らないんですね。要望書なら通るのですが。ただ、各会派どこも反対はしていない。保留というのが二つあっただけで。今後、保留している政党の方にも懇談会などを開いて引き続き理解を求めていきたいとは思っていますが、今、建築職人の日当が仁義なき下げ幅で下がっていて、これじゃどうにもなんないということでせめて公共工事における最低賃金を国で定めてほしいというものです。
 これも難しいところがあって、バブル時など、状況によってはどうするんだと。ある議員なんかはそこを心配していて、今それを決めちゃったら上がったときにどうするんだと。ただ、これは最低賃金ですから、そういう心配はする必要はないんですけどね。最低これくらいはくださいよってことですから、上はいくらあってもいいわけですから。ただ、1万5千円なら1万5千円と決めるとそれが基準になって、逆に、今2万円もらっている人も1万5千円に下げられてしまうといった危険性もあるので、注意しながらやってかないと難しい面がある。ただ、全体として最低賃金を作らせようというのも大事なんで。今、東京土建全体でもこの運動に取り組んでいて、他の多くの自治体ではこの請願が通ってきてるんですね。だから、もう少しがんばれば通ると思うんですね。もう少しなんで……。

(武田)住友でも最低が1万4千円とかいってたな。上が2万3千だって。

武田部員

 今は1万とか1万2千円とかで働いている建築職人がいっぱいいるんだよね。クロスなんかもすごく安んだってね。……だから、そこをなんとか食い止めようということですから。ま、がんばっていきましょう。

──建築業界の重層下請け構造についてはどう思いますか。孫請けとか、下請とか。

 重層下請ていうのは、大手企業の一次、二次下請とかあるわけですが、大手一次ではうちは2万5千円出してますよって企業交渉なんかで言うんですよ。それが末端で2万5千とってるかどうか分かりますかっていうと、それは知らないって言うんですよ。だから、一次が2万5千円とってれば、二次が2万円とか、三次になるとそれが1万5千円とか、どんどん安くなっていく訳です。
 町場の場合は一次が多いから、その辺気にしないんですけど。確かに大手の重層下請け構造っていうのは、それを無くさなくてはいけないんですけどね。ですから、企業交渉の中では、元請は末端の日当をいくらもらってるかってことをちゃんと掌握しなさいよという要求をしてるんですよ。そうしないと、一次には2万5千とか3万とか払ってても、下にいっちゃうとぜんぜんだめなんだから。だから、我々が要求すると、お宅さんたちのいうことはもっともですよと。その金額は妥当ですと。その金額を払ってますよと。ところが、それが二次、三次になるとそうじゃないと言うわけなんですね。

(岡田)そこが非常に重要なんです。函館方式というのはそこから生まれてきたわけで。公共事業で手抜きがあったりしたんじゃ困ると。それは何も公共事業だけじゃなくて、お客さんに対してきちんと仕事をしようと思ったら、末端の職人さんの生活を保障しなかったら、いい仕事なんて出来るわけ無いんだから。だから、企業交渉では、そのへんのこときちんとつかんで、強く交渉してもらいたいんだよね。

 そうですよね。公共工事だからその辺のことは区にも言うんですよね。税金を使った工事ですから、最後までその確認をするのが責任だろうと。区の方は契約して物が出来てしまえば、それで責任ありませんってこうなんだ。それは違うだろうって。どうもわかんないんだ文京区は。公共工事ってのは税金でやってるわけだから。そこだけは考え直してくれって言ってきたんだよ。責任はあるんですよって。物が出来ればいいんだって形なんだけど、普通の木造の工事だってそんなこと言わないですよ。お客から苦情がくれば、我々だって、お前んとこちゃんと働かせてんだから、きちんと払いなさいよって言うだべや?それをやらないって言うんだから。

──それはないよね。

 公共工事でこんな馬鹿なことないんだよ。そこは直していかないとなりません。

8.憲法・教育基本法について

──最後の質問です。昨年は大きな政治の変化があり、新しく安倍政権が誕生しました。組合は、安倍総理の主張する教育基本法や憲法を変えようという動きに反対し、様々な運動を展開してきました。教育基本法、憲法が変えられると、我々組合員にとってどういう影響があるのでしょうか。

 憲法問題について、今の政府が一番変えたいのが憲法九条ですから。この九条をね、前の政調会長がこういうこといったんだよね。この人、東大出てるんだけど、第1項はわかるけど、第2項は学生の頃から理解できなかったと。第1項と2項は別問題じゃないよね。これはイコールなんですよ。要するに日本国憲法第九条っていうのは、先の戦争で国外には2千万人からの犠牲者を出して、わが国でも310万くらいの尊い犠牲者を出したわけでしょ。その反省の上にたってあの憲法九条が成り立っている訳ね。わが国は二度とアジア諸国のみなさんには迷惑かけません、二度と戦争はしません、というのが第1項ですね。第2項ってのは、そのためにはどうすればいいかって。そのためには軍隊、兵器を持ちませんってことでしょ。1項を満たす為には第2項ってことですから、別問題ではないんです。一緒なんです。ところが今の政府がいってるのは、その第2項を変えようっていうんでしょ。ですから、そこを変えて戦争できる国にしようっていうんだから。教育基本法を変えるのも一緒なんですね。お国のためにってね。

 昔ね、お国のためにっていったら、誰の為だったかっていうと天皇のためだったんですよ。主権は国民じゃなかったんだから。国は天皇のものだったんだからね。だから天皇陛下万歳っていってみんな戦争に行ったんだから。それで、そのために、お国のためにっていうことは、みんな天皇のために死んだ訳だ、早い話。今、北朝鮮を批判してるでしょ、みんな。将軍様だ何だって言って。昔の日本はあれと一緒なんだよ。あの人一番えらいんだよ、神様みたいに。日本だって天皇って言うのは神様、神様以上だったんだよ。白いもんだって黒になっちゃったんだから。そういう意味では、今の教育基本法っていうのは、お国を大事にしようっていうんでしょ。国の為って言葉使われちゃうとみんな何もいえなくなっちゃうんだよね。ですから、戦争するにはどこを変えるかって、教育を変えないと。
 今のみんなはそんなのできるかってやんないですよ。国が徹底してそういう方に向ければさ、これは戦争するかもしれないよ。今の人にそんなこといったって誰もやらないだろ。だから教育を変えないと戦争なんてできないんですよ。ですから、お国を愛せという言葉を使って教育をかえると。教育基本法っていうのは11条しかないですから、今度何かの機会にみんなで読みましょう。
 我々、平和でなければ仕事なんて出来ないですからね。それで昔、戦争の時に一番最初に引っ張られたのが、建設職人だからね。宿舎立てて、兵舎建ててさ。みんな最初は建設職人でしょ。そういう意味ではね、やっぱり平和でなければ我々の商売成り立たないわけですから、憲法を守る、教育基本法を守るっていうのは自分達の生活を守るということと一致するんだよ、と言う風にとっていただければいいと思うんで。違う意見があればどんどん出して頂いて、どんどん論議していただきたいね。


 これは私なりの意見なんだけど、国旗や君が代反対ってあるでしょ。やっぱりマッカサーは頭いいんだよな。教育でバッチリ天皇がカリスマになってるから、戦争犯罪者として罰しちゃうと日本が収まんないんだね。ボロボロになって。だから天皇を残したわけですよ。天皇を残すってことはそれに付随する日の丸、君が代も残る。「君の代は千年も万年も」っていうね。君というのは天皇を指すんですが、あれは本当はそういう意味の歌じゃなかったんだろうと思うよ。あれはうまく利用したんだと思うんだ俺は。最初からそういうふうに作ったんじゃないと思うよ。だから君が代、国旗の掲揚は反対だって言う意味はそこなんですよ。昔の天皇制に戻すようなことをしてはいけませんよと。
 今、東京都知事はそれを強制しようとしてるんでしょ。あの知事は憲法九条を命に変えてぶっ壊すと言ってるんだからね。本来は、憲法を守るのは我々じゃないんですよ。守るのは天皇であり、国務大臣であり、国家公務員なんですよ。これは憲法99条にきちっと書いてあるはずですよ。ぜひ、読んでいただければわかると思うんですけど。だから、区役所の職員さんも宣誓させられるんです。憲法守りますって宣誓して就職するんですから。我々は守らせる方ですからね。その意味で、今の知事はそこを命をかけて壊そうとしてるわけですから、そういう知事は知事の資格がないと思います。今度の知事選挙も、その辺のことは頭において運動していきたいなと思います。
 だから、この前さ、小泉内閣がいみじくも言ったじゃない。わが国の自衛隊はいままで一度も ピストルの弾を撃ったことが無いと。なぜかって言うと九条があったからですよ。そうなんですよ。九条があるから撃てないんですよ。憲法九条っていうのは今は世界が日本の九条を真似しようって形で、世界に誇れる憲法なんですよ。そういう意味では、やっぱりこれを守らせる運動も必要だろうと思います。

──どうも本日はご苦労様でした。これをこれからの組合運動、教宣部の姿勢として大切に守りながら運動に参加していきたいと思います。ありがとうございました。