2021.06.04
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建設アスベスト訴訟、最高裁判決◇国・建材企業に勝訴、一人親方も救済
文京支部では、「給付金」制度に建材企業の拠出とすべての被害者救済を求め区議会請願を行いました
建設アスベスト訴訟は5月17日、最高裁第1小法廷に係属していた神奈川・東京・京都・大阪の建設アスベスト訴訟の一陣に対する判決が言い渡されました。一連の建設アスベスト訴訟では初めて国の法的責任(防じんマスク着用と警告義務に関する規制権限不行使の違法)が確定しました。
判決では、「国は昭和50年にはアスベストを使う建設現場に危険性があることや、防じんマスクを着用する必要があることを指導監督すべきだった。アスベストを規制しない違法な状態が昭和50年(1975年)から平成16年(2004年)まで続いた」と指摘し、国の賠償責任を認めました。また一人親方・中小事業主についても「人体への危険は労働者であってもなくても変わらない。労働者にあたらない作業員も保護されるべきだ」と指摘し、国の責任を認めました。
建材企業には、最高裁が企業の「共同不法行為」を初めて認める画期的な判決となり、さらに配管工等の後続作業者も含めて警告表示義務があり、これに違反したとして注意義務違反を認めました。
一方で今回の判決では、屋外作業従事者に対する責任が否定されたことや責任期間で救済に線引きしたこと等は極めて不当なものです。今後の2陣以降の訴訟と基金制度創設の運動の中で是正させるべき課題が残りました。
最高裁判決を受けて、6月3日に「建設アスベスト被害給付金法案」が衆院を通過しましたが、共同不法行為を認定された 石綿建材企業の賠償は含まれず、昭和50年より前の従事者と屋外作業従事者は除外され、同じように働き、同じように病気になった仲間のなかで給付に線引きがされてしまいました。
東京土建文京支部では、6月定例議会に「被害の全面解決」へむけて国に対して意見書の提出を求める請願をしました。
(請願の審議の状況などは、このページで続報をお知らせします。)