2021.11.18
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12月3日「インボイス制度」学習会のお知らせ
10月1日からインボイス事業者登録開始(制度運用は2023年10月から)あわてず、まずは情報収集を
今月10月1日からインボイス(適格請求書)の「事業者登録」が開始されました。この制度をめぐり、本来免税の業者が課税業者になることを求められたり、課税業者との取引が困難になる可能性があります。実施は2023年10月からですので、あわてず情報収集しましょう。
消費税の課税業者とは・・・
【一般課税業者】
- ● 前々年度の売上5000万円超、または一般課税を選択した業者
- ● 仕入れ税額控除・・・区分記載請求書等保存方式により計算(2023年10月~適格請求書等保存方式)
【簡易課税業者】
- ● 前々年度の売上1000万円超5000万円未満、または簡易課税を選択した業者
- ● 仕入れ税額控除・・・みなし仕入れ率(建設業は概ね70%)により計算
【免税業者】
- ● 前々年度の売上1000万円以下の業者
免税業者でもインボイスを発行するため、課税業者を選択することに
インボイス方式が適用されると【免税業者】と取引している【一般課税業者】は仕入れ税額控除(※1)が認められず、納税額が多く(※2)なってしまいます。
この制度の問題点は適格請求書を使用するためには、税務署に登録し、番号を振り出されなければならないところにあります。「税務署に登録」すると売上が1000万円以下でも消費税の課税業者にならなければならない点です。
適格請求書を使用しなければ取引からの排除や、消費税相当分の値引きを求められたりする恐れがあり、立場の弱い事業者はさらなる負担増が予見されます。
※1.大まかに言えば、仕入れ時に支払った消費税相当額を、自身が消費税を納税する際に差し引くこと
※2.経過措置として2023年10月~2026年9月末までは免税業者からの仕入れ80%控除が可能、その後、2026年10月~2029年9月末までは同50%控除が可能
文京区では約8400社の免税業者とその取引先に影響
文京区内で事業を営んでいる事業者は法人・個人事業主合わせて約21,000社(※3)。このうち40%にあたる約8,400社は免税業者(※4)。インボイス制度が導入されると、この8,400社と取引がある一般課税業者は仕入れ税額控除ができなくなるため、現場の混乱が想定されます。また課税を選択する業者には新たに税負担、事務負担が発生します。
※3.令和元年経済センサス-基礎調査(事業所の活動状態に関する集計)によると、 文京区内事業所総数(存続・新規把握)は21,079社
※4.東京国税局統計情報 令和元年間接税(消費税)によると、 文京区内課税事業者等届出件数 12,662件(小石川税務署5,749件+本郷税務署6913件)
令和元年の文京区内消費税免税業者数 (※3)-(※4)= 8,417社
簡易課税制度も縮小の方向
政府は【一般課税業者】はインボイス制度導入で、仕入税額控除を正確に把握し税収の増加を図ろうとしていますが、【簡易課税業者】は「みなし仕入れ率」によって税額を算出するため、インボイス制度を形骸化させることになります。
いずれ、政府は簡易課税制度を廃止するか、簡易課税制度の適用水準(現在5000万円)を大幅に引き下げる可能性もあります。
またインボイス制度は消費税率の引き上げに対応するための制度とも言われ、新たな消費税増税の入り口とも言えます。安易に登録する前に今一度、本当に必要かどうかよく検討しましょう。
税の「応能負担」は世界の潮流
コロナの影響による消費の落ち込みから格差が広がっています。法人税の引き上げと消費税(付加価値税)の引き下げが現在の世界的な潮流です。消費税減税の必要性とインボイスの危険性を多くの仲間に知らせて運動を盛り上げていく必要があります。
東京土建文京支部では消費税廃止文京各界連絡会(各界連)主催の学習会に取り組みます。開催日程は下記の通りです。ぜひご参加ください。
- ● インボイス制度学習会
〔日時〕2021年12月3日 19時から
- ・都営三田線・大江戸線「春日駅A2出口」徒歩2分
- ・東京メトロ丸ノ内線「後楽園駅4b出口」徒歩5分
- ・東京メトロ南北線「後楽園駅6番出口」徒歩5分
- ・JR水道橋駅東口徒歩15分
- ・都バス(都02・都02乙・上69・上60)春日駅徒歩2分
〔講師〕師岡徹税理士
学習会参加ご希望の方は、お問い合せフォーム(『その他』を選択)にて、お申し込みください。