2022.01.21
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リフォームや解体前の「アスベスト含有建材」事前調査の届け出制度が始まります
「石綿作業主任者技能講習」や「石綿特別教育」を修了していないと、多くの現場で施工ができなくなります。職種を問わず必ず受講しておきましょう。
1、2022年4月からアスベスト含有物の事前調査結果等の「届出」制度が始まります
大気汚染防止法の改正、労働安全衛生法石綿障害予防規則の改正により、建物の解体・改修工事時の石綿飛散防止対策が強化されます。2022年4月から下記の工事について、労働基準監督署と自治体へ事前調査結果等の「届出」が義務化されます(事前調査そのものは下記の規模によらず実施する必要があります。なお2023年10月以降は『建築物石綿含有建材調査者』資格保有者のみが事前調査を行うことになります)。
①延床面積80㎡以上の建築物解体工事
②請負金額100万円以上の建築物の改修工事
現場では、調査結果を労働基準監督署および自治体に対して、インターネットから「石綿事前調査結果報告システム」で届け出、または、それぞれ役所の窓口へ書面による届け出が必要になります。そのため工事契約後、着工までに日数を要することになります。
2、発注者(建物の所有者等)にも新たに「配慮義務」が設けられます
発注者には、元請業者に事前調査に使用する「設計図書等の提供」や「適切な費用の負担」が求められます。また工事の元請業者が作成した事前調査結果や除去等作業完了後の報告書は発注者が保管することになります。
(大気汚染防止法 第18条の15第2項)
解体等工事の発注者は、当該解体等工事の元請業者が行う前項の規定による調査に要する費用を適正に負担することその他当該調査に関し必要な措置を講ずることにより、当該調査に協力しなければならない。
(石綿障害予防規則 第8条)
解体等の作業を行う仕事の発注者は、当該仕事の請負人に対し、当該仕事に係る解体等対象建築物等における石綿等の使用状況等を通知するよう努めなければならない。
2 解体等の作業を行う仕事の発注者は、当該仕事の請負人による事前調査等及び記録の作成が適切に行われるように配慮しなければならない。
3、罰則あり!「技能講習」または「特別教育」を必ず受講しておきましょう
石綿(アスベスト)含有建材が使用されている建物の改修・解体作業を行う場合、現場での役割に応じて「技能講習」または「特別教育」を修了している必要があります(違反した場合は罰則あり〔※1〕)。
今回の届け出制度の開始によって、「石綿取扱い作業」に該当する現場が増えることが想定されます。工事を請けたものの作業ができないということにならないよう、職種を問わず「技能講習」または「特別教育」をあらかじめ受講しておく必要があります。
※1(労働安全衛生法119条第一項)6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
①石綿作業主任者技能講習
労働安全衛生法14条により、石綿等を取り扱う作業は「作業主任者」の選任が義務付けられています。作業主任者は「石綿作業主任者技能講習」を修了〔※2〕し、作業場の見やすい箇所に掲示(腕章などでも可)して関係労働者に周知します。
②石綿取扱い作業従事者特別教育
労働安全衛生法第59条第3項により、労働者を危険又は有害な業務につかせるときは、その業務に関する特別教育を受講させる必要があります(一人で作業を行う場合は「石綿作業主任者技能講習」の修了が必須〔※2〕)
なお「石綿作業主任者」は、あらためて特別教育を受講する必要はありません。
※2 2006年3月31日以前に「特定化学物質等作業主任者(旧制度)」を受講済みの場合は、「石綿作業主任者」を受講し直す必要はありません。
4、2023年10月以降は有資格者による事前調査が義務付けられます
今回の法改正で事前調査を行う者の要件(石綿含有建材調査者または日本アスベスト調査診断協会の登録者)が新設されます。2023年10月以降は有資格者による事前調査が義務化されます。ただし事前調査を適切に実施するため、義務化前であっても有資格者による事前調査が望ましいとされています。
東京土建では2022年度中に6回(偶数月)に『一般建築物石綿含有建材調査者』講習を予定しています。アスベスト飛散防止のため調査者資格取得にも挑戦しましょう。